コロナ禍の危機管理、自社に具合の悪い社員が発生したときの応急処置

 

社内で具合が悪い社員が出た場合にどうしたらいいか、悩まれている会社は多いとおもいます。具合の悪い社員が発生し、コロナの疑いがある場合は以下のような措置が推奨されます。

1、社員への対応

①出勤時間外であれば、まず2週間をめどに出勤停止。②勤務時間中に社内で発生した場合は、自力で帰宅可能であれば、そのまま帰宅(公共交通機関は使わない)。自力で帰宅困難な場合には可能であれば隔離部屋を用意し隔離、対応者には感染防護具(マスク、手袋、ゴーグル、レインコート等)の着用が望まれます。以下の場合は最寄りの保健所、もしくは帰国者・接触者相談センターに相談してください。

  • 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が4日以上続いている場合
  • 重症化しやすい方(高齢者や基礎疾患がある)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状が2日以上続いている場合

2、応急処置としての消毒の実施

トイレ 食器や箸 その他のモノ  手、指
次亜塩素酸ナトリウム(0.1%) 80℃の熱水に10分間 次亜塩素酸ナトリウ(0.05%) ・アルコール消毒液
・石けんやハンドソープ

まず換気を行った上で、患者周囲の高頻度接触部位の消毒を行います。以下に消毒方法を示します。

*厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ・新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 国立感染症研究所参照

次亜塩素酸ナトリウムは500ミリリットルのペットボトル1本の水に対して以下の割合で希釈することで対応できます。

市販品の塩素系漂白剤濃度 0.05パーセント 0.1パーセント 主な製品
1パーセント
(家庭用ほ乳瓶消毒剤)
約25ミリリットル 約50ミリリットル ミルトン
5~6パーセント
(家庭用台所漂白剤)
5ミリリットル(キャップ1杯程度) 約10ミリリットル
(キャップ2杯半程度)
ハイター、ブリーチ(約5%)
ピューラックス、ジアノック(6%)

ペットボトルのフタは共通規格であるため、液体の計測に使うことができます。ギリギリまで注いで7ml、スクリュー線の上ラインで5mlが目安です。上はスクリュー線の上までをキャップ1杯としています。
なお、上記の対応はあくまでも応急処置です。最終的にコロナに感染していることが確認された場合は、保健所の指示に従ってください

3、保健所対応等

PCR検査結果は本人に通知されるため、会社は本人から聞き取る必要があります。全従業員に対し事業所内で感染者が確認されたことを周知し、感染症対策の徹底を図るとともに、

濃厚接触者の確定のため保健所の調査に協力し、該当者は自宅に待機させましょう。保健所が濃厚接触者と確定した従業員については、保健所の指示に従い、必要に応じPCR検査または感染者との最終接触から14日間の健康観察を行う必要があります。ちなみに濃厚接触者の判断基準は以下になります。(新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領 国立感染症研究所 感染症疫学センター令和2年5 月29日版を参考。)

  • 患者と長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
  • 適切な感染防護無しに患者を診察、看護若しくは介護していた者
  • 患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
  • 手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者」と 15 分以上の接触があった者など(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。言うまでもなく、社内に新型コロナウイルスの感染者を出さないことが最も望まれます。社員に予防意識を維持させる対策が効果的ではないでしょうか。
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