以前はそもそもBCPを作っていないという会社が多数派でしたが、最近では自分たちでBCPを作ったが専門家の目で見て欲しいという依頼や、BCPを作ったが会社になかなか浸透してこないので運用を支援して欲しいというご依頼が増えてきました。
当事務所ではすでにBCPをお持ちの方向けに、BCPの見直し、BCP訓練に関するコンサルティングも行っています。
BCP訓練について
BCPに関係する訓練は主に下の4つあります。多くの企業は緊急避難訓練と安否確認訓練を行っていると思いますが、当事務所では通常、会社で企画することが難しいBCPシミュレーション訓練(初動・復旧)とBCP訓練シナリオ提示型の訓練を支援しています。
BCP訓練の目的は2つで
①ボトルネックを分析したうえで、実際にボトルネックに対応して動くことができるか?BCPで定めた初動・復旧の行動計画(発動フロー)が現実的かどうか?
例えば、初動で社屋の安全を確認して戻ると決めているのに判断に困るということが訓練の意見としてよく出ます。従業員が重要な経営資源なのだけれど、1週間で出勤するだろうという計画。車通勤なのでガソリンに困る。ボトルネックになるのではという議論が出ます。
前者は社屋に戻るための基準づくりから、後者は重要な社員はガソリンが半分になったら入れるように対策を打ちました。
②BCPを浸透させるため
よく分厚いBCPを作る会社があります。それはそれで必要であればやむを得ないのですが残念ながら従業員はBCPドキュメントを読まないのです。訓練に参加し、それを機会に気づきを得るし、BCPを見なおすことが多々あります。
BCP訓練の種類
教育・訓練の種類 | 教育・訓練の目的 |
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BCPシミュレーション訓練(シナリオ非提示型・初動) | 災害発生時の対応力の向上 |
BCPシミュレーション訓練(シナリオ非提示型・復旧) | 災害時の早期事業復旧 |
BCPシナリオ提示型訓練 | 災害発生時の対応力の向上 |
緊急避難訓練 | 避難経路の確認、避難時間の短縮 |
安否確認訓練 | 迅速に従業員の安否確認が行えるか検証 |
BCPシミュレーション訓練(初動)のイメージ(災害対策本部で行う場合の例)
実際に災害が発生したことを想定し、様々なイベントを発生させ、それに対しどう対応するかを参加メンバーで考える訓練を行います。
メンバー:災害対策本部 数名
用意するもの:ホワイトボード、付箋紙
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- step 1 地震とイベントの発生
- ◇スライドで地震発生の音と映像を流します。
◇「怪我人が発生しました」などのイベントがスライドに映し出されます。
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- step 2 情報整理と意思決定
- ◇イベントの内容のメモを付箋紙でホワイトボードに貼ります。
◇対応をメンバーで話し合い意思決定します。
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- step 3 従業員への指示
- ◇従業員役の講師に対して意思決定した内容を指示します。
◇講師から支持を実施した結果起きた事象がレスポンス。再度対応を検討します。
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- step 4 振り返り
- ◇訓練実施後に振り返りを行います。
◇必要に応じてBCPの見直しを図ります。
地震シミュレーション訓練の実施例(音が出ます。)
BCPシミュレーション訓練(シナリオ非提示型・復旧)
地震発生、1日後から1週間後のシナリオを提供し、どのような対応をするか意思決定をする訓練をします。
例えば、設備が〇台故障している。〇〇工程のオペレータが〇人出勤できない。仕入先A社の復旧の目途が立たないなかで顧客から〇〇の納入が求められている等である。
すでにBCPがあるけれども、本当に復旧できるか不安という会社も多く、昨今依頼が増えています。
BCPシナリオ提示型訓練
BCPを基に作成した訓練シナリオ(台本)を実行してみる。
例)被災状況のチェック、二次災害防止措置、故障したPCの復旧、電気が復旧していない状況で紙ベースでの伝票の処理。設備が動かない場合に手作業での実施等
作成したBCPの見直し
一旦、作成されたBCPや運用方法などに問題はないか?コンサルタントの目で見直し、再度必要事項を検討します。また、レジリエンス認証などの認証制度に対応できるようブラッシュアップのお手伝いも行います。