民事信託の広がりについて

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO06948350W6A900C1LC0000/

広島銀行が経営者や不動産オーナーに対して民事信託コンサルティングやそれにかかわるローンを始めました。

この間、商工会の経営相談で「社長業を退きたいのだけど株が邪魔で困るんだよな。議決権が残るから完全引退できない。」という話があり、「民事信託というやり方もありますが。」と信託という言葉を出したら、「そうだ民事信託について聞きたかったんだ。」と意外な言葉。

インターネット上では信託の解説が増えた。事業承継について調べているうちに信託にぶつかるので、勉強熱心な経営者だと民事信託について知っている経営者も出だしてきました。

信託法が改正されて10年あまりたちますが、ようやく広がりを見せてきた感もあります。

逆に信託を担う専門家がまだ少ない現状もあります。弁護士や司法書士や行政書士、ましてや中小企業診断士には試験科目にないため、そもそもなじみがない部分もあります。また、民事信託は英米法なので、自由に設計してみて、争いが起きたら裁判で解決すればいいでしょ。みたいな発想で作られているので、法律や判例どおり仕事をするのが当たり前という士業のほうも発想を変えないとうまくいかない部分があります。判例はないし、学説も定まっていない、いろいろな情報が錯乱している。でも、なにかウルトラCみたいで怪しく感じる。どちらかというと判例や法律に基づいて粛々と仕事をしてきた人には抵抗感があるかもしれません。

一方でお客様のニーズに合わせて自由に設計できる部分があるので、士業はこれまでのプロダクトアウトの姿勢をすて、お客様志向のマーケットインの思考に切り替えるチャンスかもしれません。