民事信託活用(事業承継・相続等)

民事信託って?

民事信託とは委託者が受託者に財産の名義のみを移転し、受託者が財産を管理し、配当を受益者に行う仕組みです。以前は信託銀行などが国の許可を得て行っていましたが、信託法の改正で業としない場合は許可を受けずに行うことができるようになりました。

信託銀行は通常財産の管理を行うことが目的ですが、民事信託はそれにプラスして民法の制約を外して財産管理をしようという手法です。
sintaku

民事信託の特徴

①財産からの果実は受益者へ、財産の管理は別の人間に任すことができる。
株式の場合は議決権を持つ(財産を管理する)ものと配当を受けるものをわけることができます。

②財産共有の縛りからの解放
相続などで共有化した株、不動産は全員の承諾がないと処分や運用ができませんが、共有財産をいったん民事信託のスキームで受託すると、その縛りがなくなります。受益者には受益権という債権に変わるからです。受託者をそれ用に設立した法人にするなどの方法で対応することで相続による共有化リスクを半永久的に防ぐことができます。

③受益者を連続で指定できる。
30年間の間は委託者は受益者を連続で指定できます。相続では自分の次の代までは指定できますが、その後は指定できません。また、民事信託の場合は受益者が2人目になると遺留分の問題が生じません。

④信託契約を解除すればもとに戻れる。
所有権を移転してしまうともとに戻せませんが民事信託ならば契約解除をするだけです。

民事信託を利用してできること

①事業承継時に次の次の後継者まで指定できる。
株式の移転を最初は長男、長男に子供がいないため、次は次男の子供に引き継がせたい場合など、次の次の代まで後継者を指定できます。
(このケースでは、通常は長男の配偶者などに株などの経営資産が引き継がれます。)

②相続税対策で株式は息子に贈与するが経営権は現社長に残したい。
株の議決権は株を保有する受託者にありますが、贈与税は受益者にかかります。経営者が委託者兼受託者、後継者である息子を受益者とすることで問題の解決を図ることができます。(種類株式を用いても同様なことを行えます。)

③株を後継者に贈与して引退したいが贈与税が足かせになる。
②とは逆に受益者を経営者、受託者を後継者と設定することで対応できます。議決権は受託者が持ちますが、税務当局は受益者が後継者であれば贈与があったとみなしません。

④株式分散の防止
遺言書では遺留分の存在や次世代まで株や不動産の承継先を指定できないなどの理由で経営資源が分散化する場合があります。民事信託でこれらのリスクに対応できます。

⑤不動産が相続が続くことで共有化しないようにする。
相続が続くと不動産は共有化されます。とくに会社が経営者の不動産を使用している場合などで、その不動産が共有化された場合に会社経営に携わらない相続人の抵抗などで引き続き会社が使用することが困難になる場合があります。遺留分権者に対し遺留分について受益権を設定することで会社が不動産を使用できなくなる等の状況を回避できます。

⑥同業者に中継ぎ
事業そのものを丸ごと同業者を受託者、後継者を受益者として信託します。後継者が育つまでは同業者が株の議決権を持ち事業を運営しますが、将来後継者が育った暁には信託契約を終了して後継者に株式の所有権を移転することで、後継者が育つまでの一定期間、同業者を中継ぎとして経営を任せることができます。医師や鍼灸師など資格が必要な場合には後継者が資格を取得できるまでの期間、同業者に経営を任せるということにも応用できます。

⑦経営に利用している不動産を後継者以外に相続させることで生じるリスクに対応できる。
相続の段階で工場の土地などを後継者以外に相続させる必要がある場合に、将来不動産を売却する必要がある場合や抵当権を設定する場合に問題が生じる場合があります。
授業員を後継者にし、不動産が相続人である場合には将来にわたり会社が利用できるとは限りません。

⑧知的障碍者などのご子息を持つ方の死後の財産管理

知的障碍者のご子息などに財産を相続させる場合に信頼できる専門家の管理を行うことができます。成年後見制度でも同様な機能はありますが、成年後見よりも積極的な財産運用ができるなど柔軟な制度設計が可能となります。

 

 

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